絵描き歌

吉川 「な、な、俺考えたんだよ!」


藤村 「何を?」


吉川 「絵描き歌!」


藤村 「絵描き歌って、普通あんまり個人レベルで考えないだろ」


吉川 「そこが俺のえらいところ」


藤村 「別にえらくない」


吉川 「まるまるさんかく、しっかっく♪」


藤村 「なに? もう、始まってるの!?」


吉川 「今のはウォーミングアップ」


藤村 「何を暖める必要があるんだ」


吉川 「まぁとにかく、俺のアーティスティックな舞を見よ」


藤村 「絵描き歌なんだから別に舞う必要は無いだろ」


吉川 「俺のアフリカの血が踊らずにはいられない」


藤村 「どこに流れてるの? 日本からでたこともないくせに」


吉川 「アメーリカカラキマシター!」


藤村 「ウソつけ」


吉川 「オウゴンノクニジパングネー!」


藤村 「日本の認識が古代」


吉川 「というわけで、絵描き歌を披露しよう」


藤村 「どういうわけだったんだ」


吉川 「ワン、ツー、ワン、ツー、スリー♪」


藤村 「カウントから入るのか」


吉川 「フォー、ファイブ~♪」


藤村 「早く入れ!」


吉川 「と描きまして~♪」


藤村 「入ってたのかよ! どこから? 描き始めの難易度が高すぎるよ」


吉川 「まる描いてピョン! まる描いてピョン!」


藤村 「ピョンって何だ」


吉川 「ギューーンと来て、ドドーン♪」


藤村 「まるで具体的じゃない」


吉川 「ここで縦線三本を10時の方向に6cm~♪」


藤村 「うってかわって、急に具体的に!」


吉川 「三角二つにLove is promised to her~♪」


藤村 「絵描き歌の歌詞とは思えない」


吉川 「自分自身に負けないで~♪」


藤村 「いいから早く描け!」


吉川 「フンフンフ~ン♪」


藤村 「絵描き歌でハミングするなよ」


吉川 「ここで、ペンを取り出して~♪」


藤村 「今まで何してたんだっ! 今から描きはじめるのか。ワンマンリサイタルだったのか」


吉川 「改めまして、丸描いて~♪」


藤村 「いい加減、早く描いてくれ」


吉川 「卵かな? 卵じゃないよ、ステルス戦闘機だよ♪」


藤村 「そんなもの、普通間違えない!」


吉川 「くるっと回って自己破産♪」


藤村 「いいから絵を描け!」


吉川 「あっという間に、可愛いコックさん♪」


藤村 「パクってるだろ。それは既存の絵描き歌だ」


吉川 「を描きまして~♪」


藤村 「今の尺でかわいいコックさん描けないよ。2小節しかない」


吉川 「赤は血の色~♪ 赤は血の色~♪」


藤村 「わぁ! すごい台無しに!」


吉川 「くるっと回せば、あっという間に」


藤村 「どうしたんだ?」


吉川 「あっという間になんだこれ?」


藤村 「えー! 散々引っ張っといて疑問系かよ」


吉川 「何か芸術のできあがり~♪」


藤村 「芸術から怒られろ!」



暗転




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