心理テスト
吉川 「なぁ、心理ゲームやる?」
藤村 「あぁ。やるやる」
吉川 「じゃ、いくよ。あなたは砂漠にいます」
藤村 「うん」
吉川 「……か?」
藤村 「え?」
吉川 「あなたは、砂漠にいます……か?」
藤村 「いや、家にいるけど……」
吉川 「いいえ?」
藤村 「う、うん。いいえ」
吉川 「あなたは、冒険を求めない保守的な性格でしょう」
藤村 「いやいや、ちょっと待ってよ! 心理じゃないじゃん!」
吉川 「だから保守的な……」
藤村 「そうじゃなくて! そんなの大概の人は砂漠にいない」
吉川 「そうとも言えないよ。カイロでやった時は……」
藤村 「カイロで!? やったの?」
吉川 「つい、できごころで」
藤村 「できごころでカイロに行っちゃうのがおかしい」
吉川 「まぁ日本人は往々にして保守的だ」
藤村 「ひどい心理ゲームだな」
吉川 「じゃ、次の問題。あなたの目の前には、液体の入ったグラスがあります」
藤村 「うん」
吉川 「……か?」
藤村 「ちょっと待って! それがおかしい」
吉川 「液体の入ったグラスがあります……か?」
藤村 「ないよ! いいえだけど、違うでしょ! 心理ゲームってそういうもんじゃないでしょ?」
吉川 「いいえのあなたは、特にのどが渇かないタイプです」
藤村 「心理なの? それは心理なの!?」
吉川 「まめに水分補給を心がけることをおすすめします」
藤村 「アドバイスまで! 大きなお世話だ」
吉川 「そろそろ、俺にもお茶を出して欲しい」
藤村 「婉曲な嫌味だったのか」
吉川 「そういう意味じゃないけど、君の心理だ」
藤村 「違うじゃん! そういうのじゃないよ。心理ゲームって」
吉川 「あー。わかった。じゃ、つぎ」
藤村 「本当にわかってる?」
吉川 「あなたのサイフにはお金が入ってます」
藤村 「はい! あります! 入ってます!」
吉川 「いくら入ってますか?」
藤村 「二万円!」
吉川 「では話は変わりますが……」
藤村 「え? まってよ! サイフは?」
吉川 「サイフは置いといて」
藤村 「置いとくのかよ! なんだよ! 意味ないじゃん」
吉川 「あなたの家に友人が訪ねてきました」
藤村 「あ、はい」
吉川 「お茶を出してください」
藤村 「は、はぁ」
吉川 「はぁ、じゃなくて! お茶を出してください」
藤村 「はい、出します」
吉川 「出します。じゃない! でてないじゃないか!」
藤村 「え? 今? お前に?」
吉川 「訪ねてきた友人にだ」
藤村 「やっぱり、さっきのは嫌味だったのか」
吉川 「あ! 危ない! ナイフが飛んできました。右によける? 左によける?」
藤村 「え? あ、右!」
吉川 「ブブー! 一機死に」
藤村 「えー! もう全然心理関係ない。初見殺しじゃん」
吉川 「あなたになついてくる動物がいます。その動物は?」
藤村 「えっと……猿?」
吉川 「猿……ですが。さて、ここで問題です」
藤村 「ひっかけか!」
吉川 「あなたを訪ねてきた友人がお金を借りたがってます。貸しますか?」
藤村 「いいえ」
吉川 「あなたは、貸す事にしました。いくら貸すでしょうか?」
藤村 「え……。いいえって言ってるのに」
吉川 「いくら!?」
藤村 「に……2000円」
吉川 「もう一声!」
藤村 「あのさ……金……貸して欲しいの?」
吉川 「見事に心理が浮き彫りになったな」
藤村 「おまえのか」
暗転
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