飲酒検問
警官 「はい、すみませーん。検問です」
吉川 「なに?飲酒?」
警官 「こちらの機械にフーしてください」
吉川 「はい」
警官 「あ、できれば、マイケルジャクソンのモノマネでフーしてください」
吉川 「え……。なんで?」
警官 「その方が愉快じゃないですか」
吉川 「愉快とか言われても」
警官 「別に嫌ならいいんですけど……、どうなっても知りませんよ?」
吉川 「なんだその言い方! 脅迫じゃないか」
警官 「いやですねぇ、別に深い意味はないですよ」
吉川 「や、やりますよ。マイケルでしょ?」
警官 「できれば振り付きで」
吉川 「注文が増えてきた」
警官 「できれば少年の心をもちつつ」
吉川 「心構えまで!?」
警官 「そして心なしか、アダルティックに」
吉川 「もういいです。マイケルでしょ?」
警官 「富岡じゃないよ?」
吉川 「わかってるよ! そっちの真似の方が難しい」
警官 「では、エントリーナンバー4番。え~と……」
吉川 「……吉川」
警官 「サルスベリー吉川さんです!」
吉川 「勝手な名前付けられた。しかも百日紅」
警官 「はりきってまいりましょう!」
吉川 「とてもはりきる気にはならない」
警官 「どうぞ!」
吉川 「フーーーッ!」
警官 「はっはっは」
吉川 「はは……、はははは」
警官 「お前、なめてんの?」
吉川 「え……」
警官 「こっちは遊びじゃないんだよ!」
吉川 「私だって、こんな遊びはできればしたくなかった」
警官 「本気でやらないと、エッチなイタズラとかするぞ!」
吉川 「なんだそれは。とても警察の発言とは思えない」
警官 「もう一度チャンスをあげよう」
吉川 「えぇ……、また?」
警官 「いいか? ポイントは腰だ」
吉川 「は、はぁ……」
警官 「あと、ソウルだ」
吉川 「わかりました」
警官 「それでは、サルスベリー吉川さんの、二回目です。はりきってどうぞー!」
吉川 「ポォゥ~~ッ!」
警官 「それだ!」
吉川 「え?」
警官 「よかった! よかったよぉ!」
吉川 「はぁ」
警官 「すごい感じ出てた。グッドジョブ!」
吉川 「ありがとうございます」
警官 「見てよ。このメーター!」
吉川 「え……。これって、どうなってるんです?」
警官 「95もでてる! 新記録だ」
吉川 「95って言われても……単位はなんですか?」
警官 「95……人?」
吉川 「え? 誰が95人?」
警官 「えっと……この町の……人口かな」
吉川 「ウソ付け! とんだ過疎地帯か!」
警官 「まぁ、ともかくこちらへどうぞ」
吉川 「え? なんで?」
警官 「95も出てたら完全に酔ってるでしょ。ま、お話を伺いますから」
吉川 「えー! 飲んでないよ! 全然飲んでないって!」
警官 「飲んでる飲んでないは、この際関係ありません」
吉川 「なんでだよ! あんなにマイケル頑張ったのに! 95も出したのに! !」
警官 「95はすごいですね」
吉川 「すごいでしょ!? がんばったでしょ? 新記録なんでしょ?」
警官 「……ですね。というわけで、こちらに」
吉川 「だから、酔ってないって! 俺はマイケルのマネを上手にしただけじゃないか!」
警官 「完全に酔ってますね……自分自身に」
吉川 「てへへ☆」
暗転
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