寿司
吉川 「鯖」
トマス 「サバッ!」
吉川 「鰆」
トマス 「サワラッ!」
吉川 「鰯」
トマス 「サ……イワシッ!」
吉川 「トマス。完璧だ」
トマス 「オーイェー!」
吉川 「もう、お前に教えることは何もない」
トマス 「アリガトゴザマース」
吉川 「この13年間、よく頑張ったな」
トマス 「親方ノオカゲデース」
吉川 「これでお前も一人前の寿司職人だ」
トマス 「私ガ、一人前……」
吉川 「まぁ外国人と言うことで、世間の風当たりは強いだろうけど。お前なら頑張っていけるだろう」
トマス 「ウゥ……。ア、アリガトゴザマース」
吉川 「おいおい、こんなところで泣くな。ネタがしょっぱくなっちまうぜ」
トマス 「ウゥ……ウレシクテ……」
吉川 「トマス! 鯵!」
トマス 「ェ……ゥ……アジッ!」
吉川 「鯛」
トマス 「タイッ!」
吉川 「卵」
トマス 「ウ……ェ……? イ……イクラ?」
吉川 「惜しいっ! これはタマゴだ」
トマス 「タマゴ……」
吉川 「玉子焼き、業界用語でギョクだ!」
トマス 「オー! ヒッカケモンダーイ!」
吉川 「まぁ卵でイクラってのは、頓智が利いてたからオマケで正解にしてあげよう」
トマス 「アリガトゴザマース」
吉川 「中には外国人というだけで、こんな陰湿な意地悪をする客もいるから。気をつけるんだぞ」
トマス 「ハイー。精進シマース」
吉川 「トマス! 鱧!」
トマス 「ムムム……ハモッ!」
吉川 「鯔!」
トマス 「ボラッ!」
吉川 「汗!」
トマス 「アセ?」
吉川 「汗っ!」
トマス 「エ……。アセ……?」
吉川 「ブブー! 不正解! 汗って言われたら、汗を拭くの」
トマス 「エェ。ソンナ……」
吉川 「手術コントの定番だぞ」
トマス 「手術コント……?」
吉川 「ユーモアだよ! これからの寿司屋はユーモアも交えてやらねばならない」
トマス 「チョト納得イカナイケド……」
吉川 「トマス! 鰊!」
トマス 「ニシンッ!」
吉川 「鱈!」
トマス 「タラッ!」
吉川 「メスッ!」
トマス 「メ……メス?」
吉川 「メスッ!」
トマス 「オォ! ……ハイ。……メ、メスデス」
吉川 「トマス!」
トマス 「ゴ……ゴメンナサイ」
吉川 「上出来だ」
トマス 「オー! 正解ダッタネー」
吉川 「この小さい飾り包丁を渡すあたり、憎いねー」
トマス 「ニクイデスカー?」
吉川 「憎いは褒め言葉だ。トマス、よくやった」
トマス 「ウレシイデース」
吉川 「トマス! 鮑!」
トマス 「アワビッ!」
吉川 「鱒!」
トマス 「マスッ!」
吉川 「Bダッシュ!」
トマス 「エ? ビーダッシュ?」
吉川 「トマス! Bダッシュ!」
トマス 「エ……エ~ト……。ビーダッシュ!」
吉川 「ジャンプ!」
トマス 「ジャンプ!」
吉川 「トマス! キノコキノコ!」
トマス 「エ……? キノコ……食ベルノ?」
吉川 「1UP! 1UP!」
トマス 「ワ……ワン……イヤデース。コノキノコハ、ヤバソウデース」
吉川 「あー。残念。トマス一機死に」
トマス 「エェ!? 一機死ニ……」
吉川 「あそこでキノコ取らなきゃ……」
トマス 「ナンダカ、全然納得イキマセーン」
吉川 「残り機数が少ないから、慎重に行動しろよ」
トマス 「何ノ話カモ、理解デキマセーン」
客 「やってますか?」
吉川 「トマス! 客!」
トマス 「オー! イラッシャイマセー!」
吉川 「トマス! パンチ!」
トマス 「パンチッ!」
客 「イタッ! なにするん……」
吉川 「キック!」
トマス 「キック!」
客 「イタタタタ……」
吉川 「ローリングクレイドル!」
トマス 「回転ユリ椅子固メッ!」
吉川 「裸絞め!」
トマス 「裸絞メッ!」
客 「グムムム……」
吉川 「おっとっせ! おっとっせ!」
トマス 「イエッサ! 師匠!」
客 「……カク」
吉川 「トマス! 財布!」
トマス 「エ……?」
吉川 「財布抜き取れ!」
トマス 「サイフッ!」
吉川 「トマス、逃げろ!」
トマス 「ニゲルッ!」
吉川 「Bダッシュ!」
トマス 「Bダッシュ!」
吉川 「二手に分かれろ!」
トマス 「分カレルッ!」
吉川 「ファーラウェイ! グッバイ!」
トマス 「グッバーイ!」
吉川 「トマス、教えられるのはここまでだ。俺は寿司職人じゃないし……」
暗転
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