笑マン


怪人  「へっへっへ、エロティックなイタズラをほどこしてやるぅ」


良子  「イヤーー! 誰か助けて!」


笑マン 「ハーッハッハッハッハ(笑)」


怪人  「だっ、誰だ!」


笑マン 「愛と正義とその他よろず悩み事相談の使者、笑マンだ!(笑)」


良子  「笑マン!」


怪人  「くそぅ! 小癪なヤツめ!」


笑マン 「その手を離せ!(笑)」


怪人  「……え?」


笑マン 「今すぐ、その小汚い手を離すんだー!(笑)」


怪人  「え、えーと。離せばいいのかな?」


笑マン 「だから離せって言ってるだろう!(笑)」


怪人  「いや、なんて言うか。冗談みたいな言い方するから……」


笑マン 「本気だ!(笑)」


怪人  「なんか、本気って言われても。半笑いだし」


笑マン 「お前のような悪者は容赦しないぞ!(笑)」


怪人  「なんか、いくらでも容赦してもらえそうな雰囲気だ」


笑マン 「もう、怒ったぞ!(笑)」


怪人  「またまたぁ、本当は怒ってないくせに」


笑マン 「怒ってるって言ってるだろ!(笑)」


怪人  「だってなぁ……。なんか、空気が和やかだし」


笑マン 「それは、俺が癒し系だからだ!(笑)」


怪人  「いや。今のは別に面白くなかった」


笑マン 「うるさい! なんでお前にそんなこと言われなきゃいけないんだ(笑)」


怪人  「自分で笑っちゃってるしなぁ……」


笑マン 「正義の鉄拳を受けてみろ!(笑)」


怪人  「なんと言いますか、まるで緊迫感がないんですが」


笑マン 「さっきから、ケチばっかりつけやがって! いったい何が言いたいんだ(笑)」


怪人  「だからぁ。その、半笑いと言うか……。ゆるやかすぎる空気感っていうの?」


笑マン 「これは俺のトレードマークだ。そんなに文句いうなら、お前も何か演出すればいいじゃないか!(笑)」


怪人  「いやいや、それは責任転嫁というものでしょう?」


笑マン 「うっさい! なんだよ! 悪の分際で正義に文句いいやがって(笑)」


怪人  「罵倒されても、なんとなく許せちゃうなぁ」


笑マン 「お前もなんかやれ!『殺してやるぅ!(悪)』とか言え!(笑)」


怪人  「アドバイスなのか冗談なのか、曖昧すぎる」


笑マン 「人に指図するまえに、まず自分から動きなさい! そういう人間がいないから、この社会はどんどん腐っていくんだ。(笑)」


怪人  「社会批判までしはじめた。しかも、すごく無責任っぽい感じで」


笑マン 「さぁ、言え! 『殺しちゃうぜ!(悪)』って言っちゃえ(笑)」


怪人  「えぇ……。殺しちゃうぜ!!」


笑マン 「違うだろ! 肝心なのがない! もっと悪っぽい雰囲気を演出して!(笑)」


怪人  「殺すぞぉ! コラァ!」


笑マン 「違うんだって! 大きな声とか出せば言い訳じゃないの! なんというか、内面から醸し出すモノがたりないんだよ!(笑)」


怪人  「……全然わからない」


笑マン 「もういい。お前のような、ヤツはとっとと倒してやる!(笑)」


怪人  「倒すって……。マジで?」


笑マン 「笑マンセクシーボンバー(笑)」


怪人  「その技は面白いつもりなのか? って、うわぁ、本気で殴ってきた! 痛い!」


笑マン 「トゥッ!(笑)」


怪人  「うわぁ。や~ら~れ~~たぁ~~~!(爆)」


笑マン 「やればできるじゃん。(笑)」



暗転




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