第5話 都会と田舎

やはり都会と田舎なのでしょうか。

新型コロナの対応のニュースを見ていても、健康的生活や人命に関しては、どうも手薄い自治体があるようです。

ALSの患者さんに、障害福祉の担当者が訪問して、すでにしゃべることができなくなってしまった患者さんが、ヘルパーさんと文字版を利用して通訳してもらっていると、障害福祉の専門分野の担当者であるにもかかわらず、時間稼ぎとしか取らない担当者がいる自治体がありまました。

その自治体では、新型コロナの対応でも知事さんの発言が人命より経済優先でした。

諸外国の中には、大統領という国のトップが人命軽視している国すらあります。

政治家の中には、私利私欲のために政治家になられた方もおられるらしいですね。

こういう事象が重ならなければ、筆者のようなのほほん者には気づかなかったことでしょう。

日本の未来は、超高齢者社会になると思われます。

超高齢者社会イコール医療福祉社会ですよね。

在宅で、終身できる社会には、残念ながら、まだ遠いでしょうね。

在宅介護、現状ではとんでもないです。

高齢者の在宅は、すでに難しくなっております。

認知症でも、トイレに行くことが可能なら要介護2くらいしか認定されません。

週2回もディサービスに行ければ。御の字です。

認知症の高齢者なんて、通常の精神では付き合えません。

まさかと思うほどの狂いを生じるのですね。

筆者の母親が認知症で90歳。

若い頃、女子高校で教鞭をとっていたという才媛であったと思われる経歴ですが。

見る影もなく、ボケてしまいました。

自身のことすらまともにできなくなっております。

90歳にもなって、寝たきりになっていないことを誉めるべきなのかもしれませんが、動ける認知症ほど厄介な病気はありません。

要介護度が低いため、訪問看護や訪問ヘルパーも入れられません。

難病患者の筆者は、身体障害者にも認定されておりますので、ありとあらゆる手法を使って、訪問看護が週4日、訪問ヘルパーは週7日。訪問入浴と目一杯の福祉サービスが利用できております。

筆者の居住は、都会とは言えませんが、田舎とはいえ県庁所在地ですので地方都市ではありそうです。

福祉サービスも、ほとんどが営利企業ですので、利用者が多く営業利益の望める地域にできますよね。

働く方々も、仕事が多く収入の多い地域に集まるのでしょう。

日本の福祉は地方自治体と民間に任せ過ぎているようですね。

とはいえ、先のALS安楽死事件の患者さんは、京都市という大都市に住んでおられました。

1000年を越える我が国の首都。人口100万人を越える大都市ですが、筆者から見て、医療ソーシャルワーカーが専任されていなかったのか、ケアマネは、何をしていた。訪問者がいる時に、ヘルパーが退室するとは何事か等々、疑問だらけの事件でありました。

ヘルパーが24時間管理していたということは、重度障害者福祉支援制度は利用できていたということでしょう。

主治医や家族は、安楽死を望む患者の思いを突き放すことしかしていないように感じます。

安楽死を望むより、不自由でも生きていたいという希望をなぜ作って上げられなかったのでしょう。

看護師さんやヘルパーさんだって人間です。

1人で無理な作業があるかもしれません。

訪問看護師さんが、難病治療の一貫として、医療保険からの派遣であれば、ヘルパーと同じ時間に入ることは不可能ではありませんよね。

男性ヘルパーであれば、患者さんを車イスに移乗できますよね。

1日数回、患者さんを車イスでリビングにでも連れて行って上げられれば、もう少し死にたいという欲求は軽減できなかったのでしょうか。

同じALS患者で参議院議員の先生と、たいして変わらない病状だったと感じています。

個人の精神的な部分はあると思いますが、片方はバリバリと活躍していて、片方は安楽死ですか。

違い過ぎませんか。

同じ病気、たいして差があると思えない病状。

にもかかわらず国会議員と安楽死では、ちょっと。

死にたいという相談をした患者に、ダメですと言えばそれだけで終わりというのは。

夢も希望も持てなくなって、目標も目的もなくなって、人間として生きていくことがただツラいだけと感じている患者を、本当に安楽死すると思わなかったというのは。医師としてはどうなんでしょう。

お父様が、テレビに出て、いろいろおっしゃってましたが、なぜ患者さんの気持ちにもっと寄り添ってあげられなかったのでしょう。

ALS患者安楽死事件、患者さんは。救われていると思います。

そうでなければ悲し過ぎます。



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