第2話 いっそ一思いに
筆者は、安楽死を肯定はしませんが、否定も出来ません。
だいたい、死ぬということを理解出来ていません。
安楽死とは言いますが、死後の世界って本当に楽なんでしょうか。
死後の世界から帰って来た人の意見を聞いたことがありませんので、判断できません。
耐え難い屈辱的で惨めな生活って、どんなものですか。
ALS患者さんは日本国内だけでも1万人近い方がおられます。
にもかかわらず、今回の安楽死事件の患者さんがなぜ耐え難い屈辱的で惨めな生活になったのでしょうか。
ALSは、全身の筋肉が萎縮して、動けなくなることは、皆さんご存知ですよね。
ALS患者さんの寝たきり状態って、どういうものなのでしょうか。
ALSは、脳の機能は失いません。
したがって、自身の病状、状況は、はっきり理解してしまいます。
全身の筋肉が萎縮していますので、動けません。
今回の患者さんは、すでに自力での食事もできない状態になっていたようです。
ということは、生活の全てをベッド上で完結しなければなりません。
お食事は、決まった時間に、決まった量を胃に開けた穴から、チューブで流し込んでもらいます。
口を通らないので、味は感じません。
当然、美味しいか不味いかわかりません。
口からも飲めるタイプの流動食も開発はされています。
缶のタイプのエンシュアリキッドというもの。
あまりに甘くて、筆者には飲めませんでした。
袋タイプで、胃瘻と口からの両用が出来るラコール。
ミルク味とコーヒー味を試しています。
どちらもコーヒー味と思ってしまいますが、筆者にはエンシュアリキッドよりラコールの方が飲みやすく感じます。
口から、液体流動食で最低限の栄養分とカロリーを摂取することで、誤嚥を減らし、肺炎のリスクの軽減が期待できます。
尿は、尿道に射し込まれたカテーテルというチューブで常に吸いとられています。
排便も、もちろんベッドの上です。
もし、自力で排便できない状態であれば。浣腸して排出するのです。
何一つ、自分の意志ではありません。
すべて介護者の都合で進みます。
したがって、家族や介護者達との意思疎通が上手くできないと孤独になってしまいます。
ALSは神経難病という難病ですが。
NHKさんが安楽死に密着したドキュメントの患者さんは、多系統萎縮症という難病でした。
他にも、寝たきりに近い状態になってしまう難病は数多くあります。
SMA(脊髄性筋萎縮症)という難病は、最近1本が1億円以上もする注射で話題になってました。
同じような名前ですがSBMA(球脊髄性筋萎縮症)は、もちろん発症してしまうと治す方法はありません。
男性ホルモンの異常が原因とわかってきましたので、3年ほど前から、病気の進行を送らせることが期待できるということで、前立腺ガンや子宮筋腫に使う抗ガン剤リュープロレリンが使えることになりました。
ただ残念ですが、少し副作用がキツイです。
申し遅れましたが、筆者はこのSBMAの患者で発症から21年ですが、リュープロレリンを使わせて頂いております。
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