京都ALS安楽死事件の難病患者への影響

近衛源二郎

第1話 安楽死ってなんだ

先頃、京都の難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を罹患していた50歳代の女性が、屈辱的で惨めな人生は嫌だ等と言って安楽死を願って、協力したお医者様2人が逮捕されましたね。

以前には、NHKが難病患者の安楽死に密着した番組を放送して物議をかもしたこともあります。

だいたい、安楽死ってなんでしょう。

それ以前に、病気ってなんなんでしょう。

人間に限らず、動植物の身体や心に異変のある状態を病気と言いますよね。

この現代でも、治療は難しくて、しかも慢性的症状を繰り返す病気がたくさんあります。

これらの難治性の病気が難病と呼ばれています。

京都のALS安楽死の患者さんは、屈辱的で惨めな生活とおっしゃったようですが。

難病患者の皆さん全員が屈辱的で惨めな生活を送ってらっしゃるのでしょうか。

残念ですが、我が国の難病患者は、住んでいる町によって住みやすさがかなり違うようです。

もちろん難病の中でも、元気に楽しく頑張れる難病もあります。

大原麗子さんが、生前患っておられたギランバレー症候群。

安部首相が患っておられる潰瘍性大腸炎。

EXILEマツこと松本利夫さんのペーチェット病。

徳永英明さんのもやもや病。

すべて厚労省の指定難病ですが、皆さん元気そうですし、頑張っておられます。

大原麗子さんは故人ですので、元気かどうかは、不明です。

耐え難い苦痛や哀しみから逃れるために医学の助けを借りて苦しまないような死に方をすることが安楽死なのでしょう。

今回の場合も、亡くなられた患者さん自身は、楽になられたと思いたいです。

屈辱的で惨めな生活からは、解放されて、救われていてほしいです。

安楽死は、何を言おうと自殺です。

海外には、安楽死を容認している国もあります。

それでも、最後の死亡するお薬の投与は、患者自身の手で行います。

ほとんどの場合、点滴に致死量の睡眠薬を流しますが、睡眠薬の回路はコックで閉じられていて、患者自身が患者自身の判断で、患者自身のタイミングでコックを開くのです。

手伝う医師や看護師の心の負担を軽減するためには、患者は自殺でなければなりません。

しかるに今回は、致死量の睡眠薬を胃瘻と呼ばれる食事用のチューブを通して、死に至らしめたみたいです。

完全に、医師が手を下してますね。

日本は、安楽死を認めていません。

したがって安楽死の手伝いは、犯罪です。

もし、今回のALS患者さんが、法的に安楽死の条件にはまったとしても自殺幇助ですよね。

今回の患者さんは、自力で死ねないってことで、お医者様がお薬を投与してしまったんでしょうが、残念ながら殺人ですよね。

頼まれたとしても嘱託殺人には違いありません。

今回のお医者様お2人は、安楽死容認主義だったようですが。

やってしまったことは、津久井山ユリ園の大量殺人犯人植松死刑囚と変わらないということになります。

植松死刑囚は、重度障害者の安楽死と主張したようですが、ナイフで刺し殺される痛みは、安楽死ではありませんね。

安楽死は必要か不要かと問われれば、筆者は時と場合としかお答えできません。

日本の裁判判例の安楽死条件はたわけていると思っています。

中でも、死に直面していること。という項目。

死に直面していて、死期を早める必要があるとは思いません。

ただ、変な延命治療をして、苦痛を長引かせるのはどうかとも思います。

耐え難い苦痛に長期間耐えて、苦痛を取り除く方法がなくなった場合で、患者本人の意識がはっきりしていて。

安楽死を強く希望していること。

通常の自殺でも、家族や関係者には、大きな影響がありますが、安楽死は、もっと大きな影響を与えてしまいます。

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