将来がこわい。

 将来がこわい。

 進路関連の課題を叩きつけられる度に思う。

 まだ一年生なのに、なんて言い訳は当然ながら通じない。

 学校側が興味を引くのは私達の就職先であって、夢でも希望でも動機でも将来でもないから。

 だけど。

 十年先の未来を夢想すると、頭が痛くなる。

 そこはひどく暗澹として、一縷の光明もない。

 底なしの闇がただ四方に広がっている。

 そう在りたいという希望もない。

 そう成りたいという願望もない。

 それを得たいという欲望もない。

 それが欲しいという渇望もない。

 何より、それらを為す力が私にはない。

 それは誰もが抱える懊悩だと、誰もが言う。

 だからそいつらの殆どは、各々が抱く「夢」という名の望みを格下げして、妥協して生きている。

 しかしそれは、妥協できるだけの力があるからに過ぎない。

 十を諦め九を獲り、五を諦め四を獲るように、妥協しても腐らない高尚な望みがそれを可能にしている。

 ならば一を望み、一を諦めた者が獲るのは、


 空虚ゼロじゃないのか。

 

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