第3話「コツコツ混ぜる!」

「取りあえず牛乳をマグカップ1杯にして、できる限りの弱火で混ぜてみよう!」



 甘井糖子あまいとうこの第2ラウンドは静かに始まった。



「きょうのテーマはしっかりトロみを付けるだ」

 彼女はコンロの火を弱くしてゆっくりゆっくり混ぜ続けた。


「あっ、何かトロトロし始めた」

 少し手が疲れ始めた頃だった、ミルクパンの中のソレは前に作った時とは明らかに違って見えた、まるでくず湯の様なとろみが付き始めたのだ。


「もうちょつと続けてみようかな?」

 ここまで来たのだ、ここで手を抜いては台無しになるかもと思い彼女はまだまだ混ぜ続けた。


「わっ!何かカスタードクリームみたいになった!!」

 彼女は小麦粉無くても「カスタードクリーム出来んじゃん」って思いつつ、もうこれ以上は焦げ付くと思い火を止めた(あとで調べたらここまでしなくて良かったらしい)。


「ラーメンどんぶりラーメンどんぶり♪」

 何故ラーメンどんぶりを使う、もっとタッパーとかあるんじゃないかな?


 彼女は同じ条件にする為か、それともスプーンでガリガリし易くする為か、またラーメンどんぶりを使うらしい。


「いちごジャムたっぷりのトーストでも食べつつで、あら熱でも取りますか♪♪」

 ラーメンどんぶりにラップをした彼女の口の中には既に美味しいアイスクリームの味が想像されていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る