◯ラッキービースト
アムールトラを心配してあの子が何度も研究所にやって来たが、彼女は面会を拒み続けた。
大切な友達を守れなかった不甲斐ない自分が許せない、という気持ちも確かにあった。だがそれ以上に、今あの子に会ってしまったら、決意が揺らいでしまいそうで怖かったのだ。
しかしそう簡単に割り切れるものではない。彼女は表向きは元気そうにしていたが、俯いたりぼんやりしたりする事が増えていった。
そんなアムールトラの寂しさを少しでも和らげようと、サポートロボットが導入された。彼女と同じオレンジ色で、膝くらいの高さの丸っこい体に、大きな耳と尻尾が生えている。足は短く、歩く時にポイポイと音が出る。毎日彼女の体調管理と記録を行い、簡単な会話も出来る。
このロボットは、アムールトラの安全と、計画(プロジェクト)成功の願いを込めて、『ラッキービースト』と名付けられた。
近い将来、このロボットは量産され、様々なケースに対応できるよう機能が追加されたのち、パークガイドとして各所に配備される事になる。その際一目でフレンズと区別ができるように、体は青色に変えられた。
そしてヒトがいなくなった未来では、その中の一体がパークの危機を救うため、大活躍する事となる。
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