第9話 神頼みの17歳

ゲンキンなもので、すっかり仲直りした私達は

帰りの車は当然一緒に乗りました。メデタシメデタシ。


このドライブも実は、先輩達が仕組んでくれたらしい。この先輩2人は、彼の幼馴染みたいなもんで

よく彼の相談に乗ってくれていた。

その後も大変お世話になりました。


本当に周囲に助けられてる2人だったな。

お互い好きなのに、まだ2人ではどうにもできない

気持ちを伝える事さえままならない。

でも、きっとこの頃はこれでよかったんだと今は思う。大人になれば、何だって自分で考えて

自分で行動していかなきゃならないんだから。



甘えられるうちは、いっぱい甘えた方がいいんだ。

当時、私を甘えさせてくれる人達が周囲にいてくれたのは大人になりつつある自分にとって、すごくありがたい事だった。


そして、海から家に着いたのは、もう空が明るくなる頃。メデタシだったのはここまで。


うちのとーちゃんは仕事で朝が早いから、

なんとか暗いうちに部屋に帰り着きたかったんだけど。我が家の前につくと・・・ なんと!!!

私の部屋の電気が点いている。

出てくる時は間違いなく消してきたから

誰かがつけたに違いない!うわー!親にバレた!!


心配した先輩達は、親に事情を説明すると言ってくれた。

未成年連れ歩いたのは悪かったけど←コレ、今は犯罪だねw

やましい事は何一つしてないんだから、話せば大丈夫って。

まぁ、実際ただ海で花火してきただけなんだけど

(仲直りもしたけど)

そんなのが通用するような親じゃない。


それに、先輩達にこれ以上迷惑かけられないし。

すると彼が 「俺が話すからいいよ。一緒に行く。」

車2台はエンジンやマフラーいじってるから、当然うるさい。

音でばれないように、いつもちょっと離れた場所に停めて降ろしてもらってたから、そこから彼と2人で私の家に向かう。先輩達はそこで待機。


白い朝もやのかかる砂利道を彼と歩きながら

さっきまでの嬉しい気持ちが、どんどん暗くなってくる。楽しかった時間が走馬灯みたいに頭をめぐる。なんか死ぬ寸前みたいな気分。

足取りは重いとゆうよりも、もう歩きたくない

帰りたくない このまま帰るのやめようか・・・

うちの親は理不尽で相当に頑固。これがバレたらとんでもない事になる。

私は今まで、夜遊びがバレたりする度に、大騒ぎで家に軟禁状態だった。

実は、原宿で踊ってる時にもホコテンまで

連れ戻しにきたとゆう逸話もあったりする。


帰るのやめたい・・・ そう彼に伝える。

でも「ちゃんと説明するから」と言うばかり。


で、恐る恐る窓から部屋を覗く。

とーちゃんが私のベッドに座ってる。

窓と平行する形でベッドを置いてたから

外からはとーちゃんの背中が見える。


もう、こうなったら窓から入る必要ないもんね。

玄関から帰りました。

が、しかし。玄関の鍵は閉まっていた。

玄関からこっそり入れれば、おかーちゃんに先に会ってなんとか懐柔してしまおうと目論んでたのに(涙)

殴られたりするのは全然構わなかったんだけど

「軟禁」 これ、すげー困っちゃう。

で、先輩達や彼にも相当に文句言うだろうし。

ホント、有り得ない事やらかす親だから。

今度は教護院にでも入れられちゃうかもしれないな。もう、すでに児童相談所には2回も強制入所だし。

せっかく彼と仲直りしたのに。

もう何も考えられない、彼の顔もまともに見れない。


あーっ、もう、どうしよう!!!神様!!!

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