第2話 転がる17歳

彼と私が出会ったのは中学3年生の時だった。


私は当時は別に彼氏がいて、原宿に夢中だった頃。


彼も彼で、おうちが自動車修理屋さんてこともあって、車やオートバイが大好き、ついでに女の子も大好きって感じのやんちゃな子だった。

そんな感じだったけど、なんとなくお互いに、意識はしたまま中学校卒業。2人は別の高校へ。


先輩や友達と遊んでる時「あいつお前の事ずーっと好きなんだぞー」

って、よく聞かされても、いたはいたけど「そーなんだ?」って感じで私は聞いていた。

でも、当人同士もこういう感じは判るもの。


当時の私の家はマンションで部屋は一階。

駐車場に面した私の部屋。

その窓がノックされると夜遊びのお誘い。

結構厳しい家だったから夜遊びなんてトンでもなかった。だからお誘いが来ると、窓から「よっこらしょ」って出て行くんだけど、なんせ駐車場に面してるから脱出劇をご近所に目撃される事もしばしば。

それにもメゲす毎夜のごとく脱出劇は繰り返されるのである。


卒業して1年くらいたった秋のはじめ。


そんなある夜のノックの主は彼だった。

いつも数人でつるんでるのに1人なのは珍しい。

「バイクできたの?」と聞くと「あっちで先輩が車で待ってる」と彼。


「じゃあ支度するから待ってて?」


「いや、出てこなくていいから」


「じゃあ、なに?」


「俺、お前のこと好きだから、転校してきた時から

 ずっと好きだったから・・・。そんだけだから」


そういって走り去ってしまった。


一体なんだったんだ、今のは。


告白??


でも好きだからって言い逃げされたら、はいアリガトしか返事できないじゃん!バカ!!!

だけど、心の中では、

「やっと来たか。。。」と、思う私でした。

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