004 面接シミュレーション

 面接会場の廊下で俺は想定される質問内容を何度も頭の中で反芻した。


 今日の面接で失敗してしまうと就職浪人が確定してしまう――俺は今日の為に思いつく限りのシミュレーションを繰り返してきたのだ。



 次は俺の番だ。絶対に乗り切ってやる――


 「次の方、どうぞ」

 「……はい」


 俺が呼ばれる。面接室のドアの前に立ち、ひと呼吸置きドアをノックする。


 ――コンコンッ――


 間髪入れず、ドアの向こうから音がする。


 ――コンコンッ――


 ……俺はどうすればいいんだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る