replay:『XIII』-軋む歯車-

目が回る


「次はこれでどうかな?」


痛い


「気分はどうだい、ああ、そうか」


吐き気がする


「問題ないな、じゃあ次はここに入れてみるか」








体のあちこちに何かを刺されて、

毒をもられれば、

引き摺られて何処かに投げ込まれる。

ガタガタと体が震えて意識が遠のきそうなくらいになって、

気がつけばここは冷凍庫のようなものだと分かる。

そばには子供1人入りそうな黒い大きなゴミ袋があちこちに置いてある。


考えないようにした。

それが何かなんて、そもそも考える頭が動かない。

意識がなくなりそうなって、

苦しくて。


(体が淡く輝いた)


「へぇ、危機的な状況になると体が反応して魔力が君はあがるのか。

意識は保てないようだけどね。」


またずるずるとスノウの髪を引っ張り、彼は外に出す。


「しかし、これでも君の能力はさらに開花しないのか。

つまらないな、バラして他にくっつけるのもありか…。」


いっその事こと、殺してくれたほうがましだ。





連れ去られてから何日経ったか分からないくらいに、

スノウは拷問や実験道具にされていた。


「しかし、君は随分と頭がいいからね。もったいない。


チャンスをあげようか、まぁ君には生きた心地はしないだろうけど。」


かちゃん、と首に何かをつけられた。

首輪だろうか、何かの魔法石が埋め込まれていた。


「外そうなんて考えるのは止めることだ、首が飛ぶからね。痛いぞ、きっと。

君にはこれから、」




手伝いをしてもらおう。




(急に綺麗な研究者の服を着させられ、体に針を刺されなくなった)


(やっと痛みから解放された)


(しかし、心の痛みは続くことになるとは思わなかった)

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