memory:『Ⅹ』-白雪は引きこもり-

あれからまた少し時が経ち、

帝国の軍部にはまた優秀な人材が増えた。


帝国軍、情報部特殊型隊員。

スノウ情報部員。

12歳にして鋭い観察力と洞察力。

氷を主に使用した魔術師としても非常に優秀であった。

年上に負けないその能力は周りからも一目を置かれる存在になった。





ただ、問題は_________








「スノウ!!朝礼くらい顔を出しなさい!!!

それと資料を排気口から魔動式郵便ネズミで送るな!!」

「スノウ!また興味本位でまた私のパンツの柄リスト作ってるでしょ!!出てきなさい!!!」


ガンガンと扉を叩く指揮官と女性の隊員。


ガチャ


「出たくないので却下です。

あと、ブラのサイズも見ましたが羨ましい限りですね、誇って良いかと。」


バタンッ


「・・・・・・・


こらぁあぁああああ!!!!!!」





そう、それら以外はただの問題児でしかないのである。

あまりの収集癖にどこかのスパイか何かかと個室で問いただしたがその気配は全くなく、寧ろ余計なものまで知ろうとするただ単に異常な好奇心旺盛すぎるバカと言うことで落ち着いてしまった。

挙句の果てにまだ泣き虫癖のあったせいなのか、

尋問最終質問にて、泣きながら吐く始末。

黙っていればただの秀才でいるため、もう仕事をしっかりと裏切らずに、情報を密告などしなければその他にはもう目を瞑るしか無かった。

余計に刺激を与えて情報を口外や流出されても困る。

それほどに彼女の収集力は素早く、多くその小さな頭に隠していた。


それにまだ12。処分という案も出たが、特に大きな罪もなければ無害で裏切りもせず、きちんと業務をこなし、人当たりも良い面もみられ、

戦闘においては自ら申し出て援護に回ってくれることもあった。

そんな人材を処するのはあまりに可哀想で酷だということですぐにその案はなくなった。

時折マナーに掛けているが、仕事となると人が変わったような真剣に取り組み、訓練でも気を抜かず参加をした。

それなりに信頼を早くも彼女は得ていた。






「スノウさん、いつも真面目なら可愛いんだけどね。」

「そうねー、ほんと。」



そして、説教とマナーの勉強にて。


「うーーーーーぉーーーーーー」

「こら!!魚の目だけくりぬかない!!」

「すみませんじゅかんのん。」

「ちゃんと目上の人に敬意を表しなさぁぁあい!!!!!」

「いやぁあああ!!!出てく!!!こんな厳しいとこ出ていくぅう!!!!」


今日も彼女は窓から逃げようとして失敗した。

まだまだしつけが足りない秀才である。

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