memory:『Ⅱ』-窓際で-

「…また…あの子ったら。」


あれからまた1年、4歳になったスノウ。

相変わらず引きこもりが多く、たまに外に出るとすれば不規則に突然部屋を出て、いつの間にか部屋に戻ってる。

夜な夜な孤児院のどこかに居ることも多く、酷い時は屋根の上にいた事もあった。


そして今夜もまた、スノウは外にいる子達とは遊ばず、窓からその友達を見ていた。


「スノウ、一緒に遊んできたら?」

「……へーきだよ。」

「楽しそうよ?行ってらっしゃいな。」


それでもスノウは首を横に振り、行かない、と断った。


「みんながね、わらってるのみてるの、とってもたのしーの。」

「…あら…そう……確かにそうかもね。

でもね、スノウ。わたしは、貴女もあの輪の中に入って楽しく遊んでいるところも、見ていて楽しいわよ?」

「……そうなの??あたしね、よわいから、すぐないちゃうから、みんなこまっちゃうもん。」

「大丈夫よ、ほら、見てみなさい。」


窓の外ではスノウを見つけた友人達が手招きをしているのが見える。



「ほら、行ってらっしゃい。帰ったら魔力のコントロールの術や、魔術について覚えなきゃいけないんだから。

今のうちに息抜きしないと、後が大変よ?」

「……わかった!」


そうしてスノウは友達のところまで走っていき、あそび始めた。


「さて、あの子が戻る前に…お勉強の準備をしないとね。」

窓際の外を1度見てからシスターは資料を取りに行った。

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