国際公認自宅警備員 ~HOUSE~

文屋旅人

序章 Weak Point

プロローグ 世界は脆い

 1991年6月12日、世界は一つの危機を乗り越えた。

 東西冷戦、その一つの陣営の頂点であったソ連の崩壊。

 ゴルバチョフによってソ連が崩壊し、人類は核による正面戦争を回避した。

 全人類はそう思った。








 だが、世界は平和にならなかった。






 1991年7月13日。

 この日、ロシア中央部が消滅した。

 後にWeak Point-1と呼ばれる地、クラスノヤルクスを中心に重力が狂う。

 ロシア中央部は四次元に吸収され、跡地からは奇怪な生物が湧き出てきた。

 国際連合はこの問題に対処できず解体。

 世界にいくつかある「世界そのものが弱い場所」をWeak Pointと認定し、その脅威から世界を守るための国際機関が誕生する。

 United International、後にUIと呼ばれるこの組織を主導に、Weak Point-1の影響を受けて肉体が変異した新人類を配置する。

 彼等はWeak Pointに自宅を構え、脅威から世界を守るためにその自宅を守るのだ。

 彼等はHome Guardian、即ち自宅警備員と呼ばれ人々からの経緯を集めることとなった。

 これは、そんな自宅警備員たちの物語である。

 

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