第8話 歯

学校行事で地元のアミューズメントパークに来ていた。

お土産を友達と買うときに先生が目の前にいたのでこっそりと先生を後ろから見ていた。

キーホルダーのようなものを見ている先生。

別に隠れる必要もないんだけど。

隠れている私の隣でなにか友達が楽しそうに喋っている。


するとその声に反応してか先生がこちらに気づきそうになった。


先生に見つからないように歯を食いしばっていたら

頭に響くぐらいゴリっと音がして歯が砕けた。


ぼろぼろと歯のかけらが口から出てきたので

これはまずいと思って歯に力を入れることをやめようとするが

全然力が抜けない。


ゴリゴリ音をたてながらどんどん歯が抜けていく。


途中まで砕けた歯を集めていたが

歯が無くなって砕けるものがなくなってから

あぁあ、もうこれは諦めるしかないな、って思った。

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