第8話 神々の世界へようこそ



 高位なる神々が招く「神々の遊び」。

 その全容は、はるか古代の魔法文明より次のように定められている。


 神々の遊び七箇条ルール


 ルール1――神々から神呪アライズを受けたヒトは、使徒となる。

 ルール2――神呪アライズを授かった者は超人型・魔法士型どちらかの力を得て、

       神々との知略戦ゲームに挑むことできる。


 ルール3――神々の遊びは、すべて霊的上位世界『神々の遊び場エレメンツ』で行われる。

 ルール4――神呪アライズの力は、『神々の遊び場エレメンツ』でしか発揮できない。

 ルール5――ただし神々の遊びで勝利したご褒美に、神呪アライズの力の一部を

       で使えるようになる。

       勝利すればするほど、現実世界で開放できる力も増大していく。


 ルール6――合計3回の敗北で挑戦権を失う。

 ルール7――神に10回勝利することで完全攻略クリアとなる。

 完全攻略クリア――10勝することで、『神の栄光セレブレイシヨン』が与えられる。  



 神さまは気まぐれだ。


 どんな遊戯ゲームになるかは、招いた神の気分次第。

 たとえ同じ遊戯ゲームでも難易度は毎回変わる。いつゲームが始まるかも、どれだけ時間がかかるかも神次第。


「レーシェ? おいレーシェってば!」


 光のみち

 わずか数メートルしかない光り輝くトンネルの中で、フェイは小さく嘆息した。


 レーシェがいない。

 はしゃぎすぎて、もう光のみちを抜けた先に行ってしまったらしい。


 ……実はまだ引き返せるんだよな。

 ……このみちを歩ききるまでは、人間の物理世界に戻ることができるけど。


 そんな選択肢は、どうやら最初から与えられてないらしい。

 レーシェが先で待っている。


「……楽しそうだったもんな。ほんと、スキップしながら走ってたし」


 苦笑を隠すように息を吐く。

 とどのつまり――

 似たもの同士なのだ、自分たちは。

 

 神さまとの頭脳戦ゲームが楽しくてたまらない。どんな勝負が待ってるか想像するだけでわくわくする。


「上等だ」


 拳を握りしめる。

 とくん、とくんと胸の鼓動が高まっていくのを感じながら。


「俺だって、このために戻ってきたんだから!」


 フェイは神々の待つ世界に飛びこんだ。




 

 ――神々の遊び場エレメンツ「ルイン幻影」


 VS『大地の賢神』タイタン

 ゲーム、開始。










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