色恋に関する確率@恋はいつも未知数

 男は常々考えていた。

『世の中は全て数学で証明出来る』と。


「───という訳で保険は数学的に考えて立派な賭け事ギャンブルなんだ」


「へえ、面白いな。…っと、バイト先から電話だ。悪いちょっと出てくる」


 そう言うと男の友人は席を外した。


「シフトの入っていない日にバイト先から呼び出される確率は…」


「あれ?あんたがテラス席とか珍しいね」


 男が独言ひとりごとを呟いていると女の声がそれを遮った。


「き、貴様は!?」


「貴様って侍かよ。つかなにしてん?」


「き…キミに答える義理はない」


「あ、いま貴様って言おうとした?つか義理あるし。あたしらを誓い合った仲っしょ?」


「あ、あれは幼稚園の頃の話だ!高校になった現在いまはもう時効だ!」


「ふーん、そんなこと言うん?…じゃあもしあたしがまだあんたのこと好きって言ったら時効延長する?」


「なななっ!?」


 男は考えた。

『休日に偶然幼なじみの異性と会って突然「好きだ」と告白される確率』を。

 その確率は果たして…

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