終わりを迎えた日@始まりを迎える日

「もうにしよう」


「えっ!?」


 突然の彼の言葉に私の脳は思考停止状態に陥った。

 大学時代に付き合い始めて約十年、過去に二度訪れた破局の危機を乗り越えて辿り着いた同棲生活が二年目を終えて三年目へ突入する日、同棲記念日とも言えるその日、私達の関係は唐突に終わりを迎えた。

 皮肉にもとなった彼の言葉に私は疑問をぶつける余裕もなく、ただ目の前が真っ暗になった。

 二度の関係修復の末に始まった私達の同棲生活、この二年間はかつてない程に満ち足りていたと思う。

 しかし、それは突然の一言によって終わりを迎えてしまったのだ…


「…え?あれ?もしかして嬉しくないの?」


「は?」


 思いもよらぬ言葉だった。

 突然の同棲解消、破局宣言が嬉しい筈がない。


「タイミング間違えたかな…今の、一応プロポーズのつもりだったんだけど」


「はあっ!?」


 驚愕の事実に私の声は裏返っていた。

 終わりとはだったらしい。、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る