狂気の行方@インセイン・クリスマス

 ガン…ゴン…ガン…ゴン!


 女は手にした鈍器をに繰り返し叩き突けた。

 一度、二度、三度、四度…繰り返す度に女が手に込める力は強くなっていった。


「あっはははは!どう?痛い?痛い?」


 ゴン!ガン!ゴン!ガン!


「…これだけやればもう十分ね。次は…」


 女はポツリと呟くと鈍器を包丁に持ち替えてに向けて振り下ろした。


 ガヂュ!ゴヂュ!ズヂュ!


 女が包丁を振り下ろす度に生々しく湿った衝突音が響いた。


「まだまだ終わらないわよ…がバラバラになるまでね!」


「……さあ、昨夜イブにフラれたからってその憂さ晴らし止めてくんない?恐怖超えてすら感じるんだけど…」


「え?料理してる姿が可愛い?」


「言ってねえよ!つかどう見ても殺人現場だよ!」


 失恋した女は鶏肉にをぶちまける様に麺棒で叩いて柔らかくし、包丁で一口大に切ってそれを焼いた。

 コロコロチキンステーキの完成である。

 尚、姉と一緒にを食べた妹は二日間寝込んだ。

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