PSC -Personal Space Christmas-@クリスマスヌーン

 12月24日昼。


 私は先輩と電話で駄弁だべっていた。


「…という訳で今夜先輩の部屋に忍び込みますから窓の鍵を開けといてください」


「何がだ。俺の部屋二階だぞ。いやそういう問題じゃねえ。なら先に伝えるな。いやそうでもねえ。…あー面倒くせえ。お前と話してると調子狂うんだよ。来るなら普通に来い」


「えっ!?行っていいんですか!?」


 思わぬ言葉に私は驚いた。


「つか来てくれ。妹が友達呼ぶから独りでいると弄られ役確定なんだよ」


「それって…私をに使いたいって事ですか?無理がありますよ。恋人なら二人で過ごしますって。あ、でも、本当の彼女にしてくれるなら行ってもいいですけど?」


 私はバカだ…素直に『行く』と答えていれば嘘でも一時いっときだけ先輩の彼女になれたのに…


「じゃあ彼女になってくれ」


「………はい?」


「とにかく来いよ!」


 先輩は電話を切った。

 私は本当の彼女になれたらしい。


「…って、私まだ返事してない!」

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