伝わる感触@柔らかいもの

「先輩、アーン」


 私はスーパーの前に来ていた移動販売で買った玉こん串を隣で大福を食っている先輩に向けた。先輩と私は一週間前に付き合い出したばかりだ。


「しねえよ。つかでアーンとか口の中が灼熱地獄になるだろうが」


「えー?しましたからそんなに熱くないですよ。ほら…ーっ!?」


 私は串からスライドさせる様にして玉こんを一つ口に放り込んだ。しっかりと冷ました筈の玉こんはまだ結構熱く、吐き出したくてもそれが出来ない状況にる私は熱さに悶絶するしかなかった。


「バカ!なにやってんだ!」


「あっつう…火傷したかもです。先輩、ちょっと見てもらえます?…ぇー」


 そうして舌を出した時、私は無意識に目を瞑っていた。


「まだか?…んむ!?」


 突然私の舌と上唇に柔らかいものが触れた。

 まさか先輩がキ…!?


「…って、これ大福じゃないですか!」


「おう、冷たくて気持ちいいだろ」


 大福に少しドキッとした自分がうらめしい。

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