（そういう話は他所（よそ）でしなって！）

　私は心の中でそう叫んだ。

　保険医がゆるい性格の私の学校の保健室は昼休みになると派手目な女子達の溜まり場となっているという噂を聞いた事はあった。けどまさか、貧血で倒れた私が休養している時にこんな場面に出（で）会（くわ）すとは思わなかった…

「で？で？最後までしたん？！」

「そそ、そりゃあね！？する為に入ったわけだし！？」

「マジかあ！先越されたあ！」

（声でかいっての！）

　と、心の中では言えるが実際に言う度胸は私にはない。

「で？どーだったん？！」

「どど、どうって？」

「初体験の感想に決まってんしょ？」

「えっ！？あ、あー…感想、ね？感想は…えっと…マ、マーベラスって感じ？」

（なんだよそれ！あんた絶対未経験だろ！いや私もだけど！）

「なんかよくわからんけどヤバい！」

（あんたは純粋過ぎだ！ちょっとは疑え！）

　私はひょんな事から学年のカーストトップクラスのギャル二人が実は純情だと知ってしまった。

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