運命の日@くじ引きの行方

 今日は新学期最初にして最大の行事イベントが行われる運命の日…そう、今日は『席替え』の日だ。

 一学年に一クラスしかない私の中学では春夏冬の休み明けに必ず席替えが行われる。その方法はくじ引きだ。

 今日のこの席替え、先週好きな人が出来たばかりの私には意中の席がある…


「次ー」


 くじ引きが始まって凡そ二分後、遂に私の番がやってきた。


(大丈夫、私なら引ける。狙うは、頑張れ私!)


 私は心の中でそう言い聞かせながらくじを引いた。

 そして…


「隣になるのは初めてだけどよろしくな」


「あ、うん。よろしく」


「私は去年以来だねー」


「そだねー」


 右隣はクラスの盛り上げ役の男子、左隣は仲良しの女子に決まった。この二人は私の好きな人ではない。

 しかし、この席はハズレではない。私は意中の席を引き当てたのだ。

 私の席は好きな人の斜め後ろ。顔を見ると緊張してまともに話せない今の私にとって授業中でも好きな人の横顔が見られるこの席こそがなのだ。

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