秋の川@蜃気楼を追い掛けて
「やばっ!冷たすぎる!」
「秋だからね」
共に過ごす最後の夏が終わり、蝉の声が
「早く来なってー。いま入っておかないと夏はもう戻ってこないよー」
「いやもう普通に秋だし…」
僕は小声で呟きながら裸足になって君が待つ川へと足を踏み出した。
「
「あはは、でしょー。マジ冷たいよねー」
「いやいや笑い事じゃないって。ダメダメ、これはない。上がろう、風邪引くって」
「足だけならヘーキだって。もし風邪引いたら私が看病してあげるからもう少しだけ夏の気分を味わおう、ね?」
夏の気分を…
そう言って君は少しさみしそうな笑顔を僕に向けた。
過ぎた日々を振り返ると夏はもう蜃気楼の様に消え去り、想い出の中にある君との時間が現実だったのかも曖昧に思えるくらい懐かしかった。
僕らはその日、陽が暮れるまで最後の夏を追い掛けた…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます