実際どうなん?@理由は流れの中に
「先輩ー、疲れたー、休憩しよー」
「いいだろう」
中学時代に同じ部に所属していた後輩から受験に向けた夏期講習を頼まれた俺はある理由から断ることが出来ず、俺の高校初の夏休みには週二で勉強会という予定が組み込まれていた。
「…そーいやさー、先輩って甘いもん好きなんしょ?」
「突然どうした?」
「ん、ちょっとね」
「?まあ好きだぞ」
「そ。じゃさ、けっこー色んなの喰ってる感じ?」
「まあな。取り敢えず一回食べるようにしている」
「ふーん…で、何が一番好きなん?」
「一番とかないな。美味しい物が好きだ」
俺には好物に対する優劣はない。
「じゃ、チーズケーキは?」
「好きだ」
「シュークリームは?」
「好きだ」
「和菓子は?」
「好きだ」
「私は?」
「好きだ」
「やった!」
「っ!?いや待て!今のはその…流れだ!」
「ふーん…で、実際どうなん?」
「…好きだ」
「私も好きだよ、先輩」
ずっと伝えられなかったのに、こんなダサい告白の仕方になるとは…
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