時間の密度@二人の時間は疾風の如く

 人生で「退屈だ」と思う瞬間が多い人はたぶんんじゃないかな?

 隣にいるキミの横顔を見ながらふと思った。


「…ん?なにこっち見てんの?視線が気になるからやめて。つか映画館来たんだからちゃんと映画観なよ」


「映画よりキミを見ているほうがいい」


「うわなにそれキモっ。そーゆーのマジやめて。あたしそーゆーのほんとムリだから」


 そう言いながらキミは頬を紅くした。

 キミのその横顔をずっと見ていられたら、そう思いながら僕は流れている映画へと視線を移した。


「じゃーまたね」


「うん。また連絡する」


 気がつくともう午後十時。

 午前中からキミと過ごした日曜日はまるでタイムスリップした様にあっという間に終わっていた。

 二人だけで過ごす週末の時間が経つのはなぜこんなにも早いのか、それはきっとからだろう。

 疾風の如くに過ぎ去る二人の時間を楽しみに僕はまた今日を生きる。

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