彼女のお弁当@男の心意気

「はい、アーン」


「流石にそれは恥ず…むぐ!?」


 初めて出来た彼女が行った「アーン」という行為に照れていた僕の口の中には入ってきた。


「どう?このたまご焼きには隠し味も使ったんだよ。何かわかる?」


 隠し味…それは隠された味付けであり、隠されているべきもの…


「…い、イチゴジャム、とか?でも、ピーナッツバターの味もする気が…?」


「すごい!どっちも正解!今日はピーナッツバターとイチゴジャムのハーフアンドハーフだよ。?」


 ピーナッツバターとイチゴジャムのハーフアンドハーフ!?

 これだよね?

 そんな疑問が脳裏に過ったとしても口が裂けても言ってはいけない。

 なぜなら僕は彼女の彼氏であり、なによりもだからだ。

 男足るもの、惚れた相手の笑顔が損なわれる様な行為ことはしない。


「…お、美味しいよ」


「よかったあ…他にもたくさんあるけど、次はどれがいい?」


 その弁当箱の中身はカラフルでポップな色彩を放っていた…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る