四年目の本気@社会人としての覚悟の芽生え
「あれ?おっかしいなあ。ここに入れてたと思うんだけど」
その声に釣られて台所へと視線を送った俺は思わず息を呑んだ。
料理をしている彼女の後ろ姿が堪らなく愛おしい。
大学を卒業して早二年、今年で交際四年目になる彼女の後ろ姿が今までと違って見えた。
彼女は俺の部屋で当たり前の様に料理をしているが、俺達は同棲しているわけではない。
互いの仕事場の位置関係や一人時間の尊重という名目で俺達はなんとなく同棲をせずにいた。
それでも彼女は週末にはこうして必ず俺の家へ来て手料理を振る舞ってそのまま泊まり、二人で共に週末を過ごした後の日曜の夜に俺が彼女を送っていく。
そんな生活パターンが習慣となり、彼女の料理の味が俺にとっての家の味となり始めた頃だった。
「うーん…ねえ、あれってどこに…ってわっ!な、なに急に!?」
「少しだけこのままで」
「ええー??どしたん?」
俺は彼女を後ろから抱き締めた。
社会人二年目の初夏の事だった。
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