2ケツ@二人乗りはやめましょう

「ヘイ彼女!俺の後ろケツ乗ってくかい?」


「…は?バカなのか?死ぬのか?すんのか?つか死ね。パッとお手軽に死ね」


「辛辣過ぎ!」


 だが俺は彼女の辛辣な言葉に悪意がない事はわかっていた。単にが悪いだけで他人を傷つける意図はないのだ。


「乗んねーの?昨日チャリパンクして歩きなんだろ?」


「魂胆なんだよ。二人乗り2ケツで後ろから胸押し付けて貰いたいとかそんなはらなんだろ?その手に乗るかバカ!アタシは歩く!」


「いやいや純粋な親切だよ」


「ふーん…じゃま、信じてやんよ」


「よっしゃあ!…って、え?」


「んだよ?文句あんのか?誰も前向きに乗るなんて言ってねーだろ?ほらさっさと漕げ。アタシの為に漕げ」


「へいへい。横乗りはスカート巻き込まれやすいから気をつ…なっ!?」


 思わず声が出た。


「あ?どした?」


「…何でもない。行くぞ」


 スカートの安全を確認しようと振り向いた時にチラッと見えた彼女の横顔、その横顔はとても綺麗だった。

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