蕾の花束@花になるまで

 正直、意味がわからなかった。

 今日は婚約の報告をする為に私の両親に会う日だ。彼と私の両親はこれまでも何度か会っていて比較的に良好な関係を築いている。

 良好とはいえ、こんな大事な日に彼がまだを持ってきた事が私には理解出来なかった。


「いらっしゃい」


 母はいつもの様に玄関で出迎えてくれた。父もまたいつもの様に居間で待っているらしい。

 事前に「彼について」があると伝えていたのにも関わらず、いつも通りに迎えてくれたのがたまらなく嬉しかった。

 そして、居間へ着くと彼は私の両親へ蕾だらけの花束を渡し、いつになく緊張な面持ちでこう言った。


「僕達の関係はお二人から見ればまだこの花の様に蕾かも知れませんが、これから二人で一緒に花を咲かせたいと思っています。僕達がになることを許してください」


 私の両親の答えは「二人で話し合って決断したのだから許すもなにもない」だった。



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