SNS -Social Night Story-@壁越しの社交会

 今日もまた独言ひとりごとが聴こえる。


「はぁ…何でなんだろ?」


 私はため息をいてポツリと呟いた。

 半年前に引っ越したこのアパートのお隣さんはとてもカッコいい男性ひとだった。むしろカッコよと言っていい。

 若い頃のアラン・ドロンを思い起こす顔に高身長というな容姿のお隣さんに私は心を惹かれた。

 しかし、お隣さんには痛恨とも言える欠点があった。

 それは、お隣さんが猫を見つけると思わず立ち止まってしまう癖があるということではない。

 その欠点は…


 ドン!ドン!


「…少し静かにしてもらえませんか?」


 私は壁を叩いて意思表示した。

 壁一枚を挟んだ隣の部屋からの声が気になったからだ。

 …そう、お隣さんは破滅的に独言ひとりごとが多い。

 特に私が寝る午後十時過ぎになると独言はもはや独語ひとりがたりと言える程の語量ごりょうになる。

 どうやら、暇をもて余すと独言を言葉くちにするらしい…


外見見た目はいいの…あっ!」


 私は言いかけて気がついた。

 既にお隣さんの独言くせ伝染うつっていた事に…

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