塩対応な告白@友達が恋人になった日

「あ…よ、よろしく!」


 まさかの展開に俺の声は大きくなると同時に裏返っていた。


「ん。入ろ。…すみません、恋人席カップルシート二時間で」


 入口を抜けると彼女は淡々と受付手続きを始めた。

 地元で有名なこのネットカフェには恋人割がある。割引率は五割。つまり恋人席を利用すれば一人分の料金で二人が利用出来る。

 だが、それには条件があった。


 として受付時にをする…


 唇以外の部位は無効なその条件は俺達には敷居が高い。なぜなら俺と彼女はさっきまで単なる友達で、俺が店の前で「この店さ、恋人席なら五割引らしいよ?」と言ったら「なら付き合ってみる?」とがきて始まった関係なかなのだ。

 付き合ってから一分未満の俺達に五秒間のキスはハードルが高過ぎる…

 俺が躊躇ためらっていると彼女が口を開いた。


「さっきの返事アレさ、アタシとしては告白のつもりだから。…それじゃ、キミからよろしく」


 言いながら瞼を閉じた彼女の唇は微かに震えていた。

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