告白リベンジ@窓越しの声

「───お前という人と出逢えた幸運に感謝する!…なんかな」


「違うなじゃないっての。あんな大声で…正気かあいつ」


 席を外していた私の耳にその声が聴こえた。

 私は四日前に告白された。

 それは凡そロマンチックとは程遠い告白だったが正直嬉しかった。ただ、生まれて初めて受けた告白の状況に納得がいかなかった私はやり直しリベンジを求めた。

 そして今日。

 私はで遊園地に来ているのだが、既に三回も告白の練習を耳にしている。


「…お待たせ。次はなに乗る?」


「うむ。陽も暮れて来たし観覧車へ乗ろう」


 観覧車…それは

 告白ほんばんは夕暮れ時の観覧車か、悪くないな。

 などと考えていた矢先だった。


「俺は観覧車そこで告白する!」


「なっ!?お前それ言うなし!台無しじゃん!」


「ならば…お前という女神と出逢えた幸運に感謝する!大好きだ!」


「今言うなバカ!皆見てんじゃん!つか女神とか…!!」


 私の好きな男子やつは羞恥心がないらしい。

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