偶然とは恐ろしい@まさかの本人登場

「こっち!と見せかけてやっぱこっち!…うぎゃー!」


「くく…さて、今度はウチのターン!ウチが勝てばアンタは三連敗!」


「ぐぬぬ…」


 絶対に負けられないババ抜きたたかいがここにある!

 私は今、修学旅行でやって来た宿舎で自由時間を満喫している。

 しかし!この自由時間は決して遊びの時間ではない!

 誰が言ったか「三回負けたらする」という罰則ルールが私達を熱狂ヒートアップさせていた。いや、正確にはまさかの二連敗且つ三戦目も最後の二人となった私を熱狂ヒートアップさせていた。


(五人でババ抜きして三連敗なんて確率的にあり得んし!頼むし…)


 私は運命の女神に祈りながら左右の手を翳した。


「…どっち?」


「ひ…右!…っしゃあー!」


 運命の女神は小悪魔いじわるだった。

 私は負けた…


「…で?誰が好きなん?」


 視線が重い…

 しかし、罰則ルール罰則ルールだ。

 私は意を決してある人が好きだと言った。


「え!」


「え?」


 タイミングくレクリエーション室に入ってきた男子の中にその人はいた。

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