最期のメッセージ@電話越しの再会と離別

 プルルルルルル…


 深夜2時過ぎ、普段滅多に鳴らない俺の携帯が鳴った。国際電話だったので出るかどうか悩んだが、何となく気になった俺は緊張しながら携帯を手にとった。


「もしもし」


「…浩二こうじか?」


「そうだけど、誰?」


 携帯を通して聞こえるその声は震えていて、微かに聞き覚えがあったが誰の声なのかすぐには思い出せなかった。


「俺だよ…春日かすが…つっても覚えてねえよな…?」


「春日?春日って…龍二りゅうじか!?」


「そう…龍二…」


「お前何やってんだよ!急にいなくなりやがって!いやそれはいい!元気なのか?今どこにいんだ?」


 電話の主は十四年前、高校卒業と同時に音信不通になった龍二だった。


「アフガニスタン…わりい、もう切るわ。最期に日本語が聞けてよかったよ……」


 それから二日後、アフガニスタンで身元不明の日本人の死体が出たという報道があった。

 その日本人は十年以上前から現地の子供達のために働いていたらしい。

 リュウジだ…

 俺はそう思った。


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