月が綺麗@おかしな和訳

「あー!もー!わかんなーい!」


 私は英語が大の苦手だった。


「まあまあ、落ち着いて少しずつやればきっと出来るから」


 そう言ったこの人は、近所に住む大学生だ。

 優しくて紳士的で密かに憧れている。

 今日は来週の中間考査に向けて私の勉強をみてくれている。


「…もう英語とかやんなくて良くない?私は海外行かないしさ。外も暗くなって来たし…あ、ほらっ!お兄さん見て見て!だよ!」


「!!!」


 なぜかお兄さんが驚いていた。


「ねえお兄さんってば!月が綺麗だよ!ほら!」


「あー…うん、そうだね。月が綺麗だね。……じゃあ、勉強続けよっか?が生まれない様に英語も少しは覚えたほうが良いよ」


「???」


 意味がわからなかった。

 翌日、私は英語の先生にこの話をした。

 そして、月が綺麗という和訳についての逸話を教えてもらった。

 こののせいで、私はお兄さんとどんな顔をして会えばいいのか分からなくなった。

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