別れの空@空港のターミナルにて

「………」


「………」


 空港のターミナルで俺達二人はずっとに横並びに座っていた。

 もう間もなく俺の幼なじみは海外へと引っ越す。


 父子家庭で育った幼なじみの女の子は先月の父親の死がきっかけで海外で暮らしている姉に引き取られることになり海外へ引っ越すことになった。

 幼なじみの父親の死と幼なじみ自身の海外への引っ越し、あまりに突然の事態に俺は一ヶ月間なにもしてやれず、今日、こうして見送りをすることが精一杯だった。


「あのさ…」


「…ん?なに?」


 俺は精一杯の勇気を振り絞ることにした。


「俺さ…」


「うん…」


「ずっとお前が好きだった…」


「…


「そうか…」


「実は私も好きだった…」


か…」


「ふふ…バカだね私達…別れ際になって両想いを宣言するなんて……」


「ああ…バカだよな…でもやっぱり俺はお前が好きだ」


「私も…好き」


 俺達二人はそっとキスを交わした。


 そして、幼なじみは飛行機と共に空へ消えた…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る