ラブレター、フロム…@手紙の主は…
「ん?手紙?」
それは、終業式の日の朝、僕の机の中に入っていた。
(ラブレター?いや、そんなわけ…)
自分の机にラブレターが入っているはずがないと思いつつ、教室で読むのはなんとなく照れ臭くて、僕は家に帰ってからその手紙を
『私はあなたが好きです。小学校の頃からずっと好きでした。私にとって最後の日となる今日、これだけは伝えておきたくて書きました。あなたの隣の席より』
僕は最寄りの駅に走った。
(間に合え!間に合え!頼む!間に合ってくれ!)
駅に着いたとき、ちょうど走り出した電車内に座っている彼女がいた。
「僕も!僕も好きだった!ずっと前から好きだった!」
思わず叫んでいた。
その声が届いたかどうかはわからないが、座っていた彼女が僕の方を見て微笑んだ気がした。
彼女は先週引っ越したばかりで、終業式までは引っ越し先から何時間も掛けて僕達の育った町に通っていた。
電車は警笛を鳴らし、彼女を乗せて遠い町へ消えた。
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