第4話 迷子と迷子

荷物も部屋に運んでもらいホッと一息ついた


(学園の中でも探索しちゃおうかな.....生徒会の人がもしなら案内しますって言ってたけどなんか怖そうだったしなぁ...失礼だけど...1人の方が気楽で良いかも...あの人にも会えるかも...なんて)


そう考えるとすぐ行動に移し部屋を出た


そして迷った





(どうしよう.....知ってる人なんているわけないし...学園内広すぎるよぉ...そもそも食堂を通りすぎて花壇を見ながら歩いてた辺りからあまり人もいないし....とにかく来た道を戻れば帰れるはず?....でもぉ..)


憧れの人達に会えるかもと少し欲がでてしまって戻れずにいた


その時一人の青年が話かけてきた

顔立ちは整っており、身長も高め、髪の毛は奇抜に黄色だが短くまとめているので真面目にみえる


「どうしたんだい?見たところ新入生だと思うが?」


頬を赤らめながらもエミリーは自己紹介をして事情を説明した


「なるほど、道がわからなくなってしまったのか...教えてあげたいのは山々なんだが私も道に迷ってしまっていてね」


その話を聞いてエミリー

「あ、あなたも新入生なんですか?」 


青年はニコッと笑いながら

「いや、四年生だ..つまり最高学年だな」

と自信満々に言った

 

エミリーは少しキョトンとした後

「そ、そうですよねお体もとても大きいですもんね!!すいません」


すると青年はまたもニコッと笑いながら

「そんな謝るな!!申し遅れたカイン・エルターだカインと呼んでくれ!道はあれだが探し人の方は手伝えるかもしれない!!なんて人だ?」


エミリーは少しモジモジしながら

「家名までは知らないんですがクロエさんと言う名前でカインさんと同じ四年生のはずです」


カインは少し驚いた表情をしながら

「クロエとは知り合いかい?」


エミリーは照れながらも荷馬車のおじさんにも話した事をそのまま話した


カインは話を聞いて嬉しそうに

「わかった!実はクロエとは仲が良いんだ明日の入学式や初日のクラス分け説明会などが終わったら食堂に来てくれ!クロエにも話をつけておくよ」  


エミリーは驚きつつも嬉しそうに


「良いんですか!!!!!? でも今日あったばかりなのに大丈夫ですか?」


カインはまたもニコッと

「君はとても良い人なんだと話してて伝わってくるよ」

と言った後、少し真剣な表情で

「それに君との出会いはクロエにとっても良いことな気がしてね....」


その言葉にエミリーは少し不思議に思ったが

こんなにも早く会えるとは思ってなかったので喜びがそんな疑問を忘れさせた


カインはニコッとガッツポーズをとり

「よし!とりあえず明日に備えて今日は早めに寝るんだ!!」


エミリーもガッツポーズをとりながら

「はい!明日に備えてしっかり寝ます!!」


そして二人で顔を見合わせ


『帰り道はどっちだろうか!?』

『帰り道はどっちでしょうね!?』


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