第3話 怪しき思惑
目的の学園につき荷馬車のおじさんが荷物を下ろしてくれている
「よっこら.....よし!!これで荷物は全部かな?....お嬢ちゃん!」
長い間、荷馬車に乗っていたせいでおしりや腰が痛むはずだがそんなこと気にも止めず...
「つ...着いちゃった!!...ほら!ほら!!おじさん!!ホロレイド学園だよ!で....でかい...今日から私ここに暮らすんだよ!!スゴいよね!」
テンションが上がりすぎて、荷馬車での会話で機嫌を損ねてたのが嘘かのような笑顔を向ける
「お嬢ちゃん落ち着きな....てのもムリな話か、お嬢ちゃん頑張って有名になってくれよ!?....そしたらあのエミリー・スラウはこの荷馬車でこの学園に来たって声高らかに宣伝させてもらうからな!!」
荷馬車に乗りガハハハッ...と笑いながら男は言う
「うん!!頑張るよ!!本当にお世話になりました!!」
エミリーは手を振りお別れを済ませると荷物を持ち学園に入ろうとする....すると学園の門の前に何名か立っている...その中の鋭い眼をした男に話かけられた
「お前は.....今年の新入生か?もしそうなら名前と受験番号を言ってくれ....その確認が終わり次第、寮の鍵を渡し..ついでにその重そうな荷物も我々生徒会で運ぼう」
名簿を見ながら確認する
「あ....名前はエミリー・スラウです!!普通の試験は落ちてしまったので受験番号は名簿に書いてないと思います...変わりに面談試験してくれた人が紹介状を書いてくれて....書類と一緒に渡してと言われました...」
そう言いながら紹介状と書類をその男に渡す
男は紹介状に一通り目を通し
「ふむ...了解した...名乗るのが遅れたな....私はホロレイド学園の4年で生徒会長のロイ・デリオムだ...よろしく...長旅でさぞ疲れただろう、すぐに案内させよう」
エミリーは不恰好に頭をさげ
「は..はい!よろしくお願いします!!」
その後軽く会話をした後、ロイは一緒にいた女性に荷物を運び、寮に案内するように指示した
エミリーはまた深く礼をしたあとに案内してくれる女性の後ろをトコトコと着いて行った
その後ろ姿をジッと見つめるロイに生徒会メンバーらしき男が話しかける
「ロイさん...紹介状で入ってくるにしては平凡な家庭の子過ぎませんか?...それにあの子の通常の試験の結果も書いてあるのですが...
ヒドイもので....正直に申しますと我が学園に相応しくないと思います」
その言葉を聞きロイは紹介状をその男に向け
「ならお前からこの紹介状を書いた人に言ってくれないか?」
紹介状をみた男は言葉を失う
その紹介状にはこう書かれていた
(エミリー・スラウをホロレイド学園の新入生として迎えることを推薦する.....
治安維持部隊・
夢喰らい殲滅部隊・
中央部隊・
...統括
...元帥ロッド・マグナ)
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ホロに住む人々の中で起こった事件や犯罪を正す部隊.....治安維持部隊
唐突に現れる夢喰らいに迅速に対応するための部隊.....夢喰らい殲滅部隊
治安維持部隊と夢喰らい殲滅部隊を臨機応変に行き来し、対応する為の部隊.....中央部隊
この三つの部隊からなる組織をホロでは騎士団と呼んでいて、ホロレイドの生徒たちも卒業後は騎士団に入ることを目指している
騎士団には六つの隊があり、その騎士団の頂点に立つのがこの紹介状を書いた男
元帥...ロッド・マグナである
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ロイは紹介状をしまいながら
(なにを企んでる?あの人は.....と言うかあのエミリーという女...国のトップに推薦されたって事に気づいてないのか.......)
フフッと笑みを浮かべながらロイは学園の方向に歩いて行った
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