存在証明論

例えばさ、今見てる世界は幻想かもしれない

風もりんごも

ピタゴラスの定理も

本当は、そこにはないのかもしれない


今、考えてみてくれないか?

僕は誰だ?この視界は、触感は、音は、本当に世界に存在しているか?

この音はすべて脳内でできていて、今いる世界はゲームかもしれない


君は君を君と言えるかい?


僕が泣きじゃくったとしても

それは作り物のオイルだ

君が笑ったとしても

ただそよ風を感じただけさ

僕が全力で走っても

ベッドからは動けない

君がいなくても

いなくなった証明論はない


例えばさ、この地面の下に空があったなら?

海に潜るとそのまま空から落っこちたら?

その世界にも君はいるのかな


僕が君を探したとしても

君に僕は存在しないだろう

君が1人で立ちすくんでも

僕は横を走り抜けるのさ



この世界で出会った僕らは

本当は存在していないかも

君を繋ぐ命の鼓動も

僕は本当は知らないんだ

君がいくら僕を抱きしめて

暖かな熱をくれたとしても

それが僕である証明論はない


だから僕は君を、君のいる世界を、目の前の存在を信じず、

僕の意識の中の君を信じよう

例えそれが紛い物でも

それが君でない証明論はない

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