第7話
「なあ、秋野さん」
「何?」
「もう、読まれてるんじゃないか?」
「そう?斬新だと思うけど・・・」
秋野さんに、連れてこられた場所。
それは、墓地。
霊園。
でも、普通の墓地とは違う。
「植樹葬?」
「そうだよ。さすがに知ってるね。尾張くん」
植樹葬。
墓石の代わりに、樹木を墓標にするお墓・・・
「私は、もしもの事があれば、植樹葬にしてもらうんだ」
「どうして?」
「自然に囲まれて眠りたいんだ。その下見」
奇遇だな。
僕も、植樹葬にしてもらいたい。
「で、どうしてここに?」
「どうしてだと思う?」
「下見だけじゃないよね?」
秋野さんは、頷く。
「私ね、本当はもう死んでもいいと思っているんだ」
「どうして?」
「悔いなく生きていたから・・・」
悔いなく・・・
僕は、YESと言えない。
「私の家族も、ここで眠ってういるの・・・だから、挨拶に来たんだ」
「それなら、ひとりでもいいだろ?」
「ダメ。私の夫になる人は、紹介しないと・・・」
こら、いつの間にそんな話に・・・
「さっきは、実験台と言ってなかったか?」
「もう、君で間に合わせる」
僕は、パーマン一号か?
「君も、植樹葬にしてもらうんでしょ?」
「どうしてわかるの?」
「女の子の勘は、鋭いんだよ」
探偵か、エスパーか・・・
喜んでいられないです・・・
「じゃあ、尾張くん来て」
「どこへ?」
「私の家族に紹介するから・・・」
秋野さんの後を、着いて行く。
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