第6話
「正解って、さっき自分で言ってたし・・・」
「そんな昔の事忘れた・・・」
ウソだな・・・
「でも、意識が戻ってから、恋をしたらいいのでは?
秋野さんなら、いくらでも相手がいるでしょ?」
「それが、いないんだな。男の子には近寄りがたいと思われてるみたいで・・・」
そうは見えないが・・・
「だから、同じ異性に縁のない君で、間に合わせようよ・・・」
「それは、失礼だ」
「冗談。でも、私はかっこいい男の子は好きじゃないんだ」
「ウソ」
「本当。但し、私たちの年頃が思う、かっこいい男の子だけどね」
思春期の女子は、スポーツ万能だったり、ワルだったりする男子に憧れる。
煙草を吸うのをかっこいいと勘違いする傾向があるのは、否めない。
「ワルな男の子って、少し優しくすれば、『本当はいい人』て勘違いするんだよね。女子は・・・」
「あなたも、その女子ですが・・・」
「君なら人畜無害だから、練習には安全」
「実験台かい」
しまいにゃ、怒るで
「だから、デートしよう。今から」
「夜遅いし、化け物とデートしたくない」
「化け物って、失礼ね」
「いきなり幽体離脱でくる君のほうが、失礼だ」
「とにかく行くの、いい?」
学校帰りに事故に合って搬送されたのに、どうしてパジャマなんだ?
「で、どこへ行く気だ?秋野さん」
「それは、男の子が決めるんだよ」
「誘った方が決めろ」
女の子は、好きな男の子となら、どこへデートしても楽しいというが、それは嘘だ。
なら、気に食わない場所へ連れて行った時に、文句を言わないで欲しい。
「それ、そのまま返す事になってもいい?」
「何が?」
「私が決めるよ。デート先」
「いいよ。どこへ連れてってくれる?」
秋野さんの提案に、言葉を失う事となる。
今、器がいる病院ではないので、念のため。
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