第4話

「私は、クラス委員だよね?」

「そういえば、女子だったな。君だったのか」

「本当に、興味ないんだね。尾張くんは」

「うん!」

「誇らしげにならないように」


話が、止まってる。


「じゃあ、進めるね。尾張くん」

「どうぞ」


コホンと咳払いをする、秋野さん。


「私は、委員会とか部活とかでいそがしくてね」

「いそがしいは、漢字で書かないんだね」

「あれは、[心を亡くす]と書くからね」


普通の会話では、わからないけどね・・・


「秋野さん、何部だっけ?」

「演劇部」

「僕は、帰宅部でいそがしい」

「それ、いそがしくないから」


ごろごろしたり、だらだらしたりで、いそがしいです。

意外と・・・


「それで、高校時代を謳歌している時間がなくて」

「卒業したら、思い出になります」

「今じゃなきゃだめなの、尾張くん」

「その謳歌とは?秋野さん」」

「恋愛」


恋に恋するお年頃なんだな・・・

ていうか、話を進めないと長くなる。


「でね、デートというのをしてみたくて・・・」

「よそへいけ」

「君じゃないとだめなの」

「どうして?」

「君は、彼女いないでしょ?」


喧嘩売りに来たのか?


「だから、お互いの予行練習」

「断る」

「だめ、やるの・・・」


頑固な性格のようだ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る