第18話 あらたな美少女登場?〜俺に双子の従姉妹とかいるのですが?

 ピンポーン


「あっ、私が出るよ。お兄ちゃんはそのまま大人しくしててね」


 日曜日。昨日のナンパの件ですっかりナイーブになってしまった。今日はソファーから一歩も動かずただボーとしている。

 姉さんはというと生徒会の仕事があるとかで学校に行っている。


「……加奈?」


 随分、帰ってくるのが遅い。意気投合でもしているのか?

 すると、タタタタ!! という慌ただしい足音が近づいてきた。


「あー! 本当にトーくんがいるー」

「本当だねー、トーくんだぁ〜」


 目の前には女の子が2人いた。しかもかなり可愛く2人はよく似ている。


「えーと……」


「はいはいー!私が双子の姉の楓音かのん!」


「私が双子の妹の 汐音しのん〜」


「「よろしく〜!」」


 元気良く手を上げ息のあった自己紹介してくれる2人。

 後ろから呆れたような様子の加奈が入ってきた。


「全く2人は……。この2人は双子で私ちちの従姉妹だよ。覚え方としては楓音が右に髪を流していて元気っ子、汐音が左に髪を流していてマイペースだよ」


「えっ、あっ、よろしく……」


 軽くお辞儀をすると、右に髪を流した楓音ちゃんが俺の顔を覗き込んできた。


「ところで叔母さんから聞いたよ!記憶喪失?なんだって」


「私たちのこと、覚えてないのー?」


「う、うん……」


 そう言うと、2人は眉を下げ、落ち込んだ。

 うっ……そんな顔をされると罪悪感が……。2人とも、お兄ちゃん隼人のことが大好きなんだな……。


「で、でも……からたくさんトーくんとの思い出作っていけばいいだけだよ!」


「そうだよ! トーくんと思い出たくさん作る〜」


「そうだね——って、ん? 今日から?」


 俺は2人を微笑ましく見つめたが、加奈は何か引っかかったようだ。


「ねぇ2人とも、遊びに来るのは今日だけでしょ?」


加奈がそう聞くと、楓音ちゃんと汐音ちゃんが何やら顔を見合わせニヤニヤし始めた。


「ふふっ、トーくん加奈ちゃん、聞いて驚くが良い!」


「私たち、今日からしばらくここに住むの〜」


「「えっ?」」


 爆弾発言をする楓音ちゃんと汐音ちゃん。加奈も初耳だったようで声が被った。


 

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