第9話 学園生活前夜?〜みんな過保護なのだが?

 数日後、美琴沢学園の合格の書類と制服が届いた。制服は白を基調としたデザインでとてもカッコよかった。三人による写真撮影会が行われたのは別の話。


 そして学園に通う前夜。


「隼人、本当に美琴沢学園に通うの……?」


 姉さんが心配そうに聞いてきた。

 今日の家族の雰囲気はいつもの明るい感じではなく、どこか暗い感じだ。それもこれも、俺が明日学園に通い始めるからである。


「大丈夫だよ、姉さんもいるし」


 それに朝倉さんもいるし。そういえば朝倉さんって一年生なのかな? もしかしたら先輩だったかも。


「お、お兄ちゃん……」


 加奈も心配そうに俺を見つめてきた。


「2人とも俺は大丈夫だから。ね?」


 心配そうにする姉さんと悲しそうにする加奈の頭を撫でてあげる。



「うぅ……」

「あぅ……」


 あれ? 2人がいつもみたいに「はぅぅ!!」って言わない……。


「2人ともはぁ君がよほど心配なのよ。もちろん、お母さんもだけど」


 そんなに心配してくれてるんだ……。でも学園に行くだけだよ?


「2人とも、はぁ君が決めたことなのだから、私達ははぁ君の手助けをしないとね」


 母さんか2人のそばにより、そう話す。

 母さんは娘思いだな……。でも学園に通うだけだからね? 学生の本分だからね?


「私、隼人を応援する!」

「わ、私も!」


 どうやら姉さん達の暗い感じがなくなったようだ。


「それでこそ私の愛する娘達よ」


 母さんが姉さんと加奈を嬉しそうに抱きしめた。


 なんて感動的な家族ドラマなんだ……! でもこれ、よく考えてみれば学園に行くだけの話なんだよなー。


 みんな過保護だなと思いつつ、明日のために早く就寝についた。

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